第67回 従来の外壁塗装・屋根塗装を超えるセブンクリア™ vol.3
- 2020年09月09日
いつもお読み頂き、ありがとうございます。
塗装専門 美匠 改め、美匠未来建設 代表の高橋と申します。
先週・今週と、台風の影響もあって雨天が続きましたが、
ようやく週末からは晴れ間の多い日が続きそうですね。
現在は昨年に引き続き、自衛隊の方よりご依頼があり、
ブルーインパルスの補修・美観向上のための塗装工事を行っております。
もう少しお時間を要しますが、
着々と補修・仕上げが完了してきておりますので、
お楽しみにしていてください。
前回に引き続き、従来の外壁塗装・屋根塗装を超える
新技術を採用した新しい外壁塗装・屋根塗装である
七大劣化抑制技術(ななだいれっかよくせいぎじゅつ)
「セブンクリア™」についてお伝えさせて頂きたいと思います。
前回はこの特徴をマトリクス表を使ってお伝えさせて頂きました。
今回から七つある代表的な劣化について詳しくみていきたいと思います。
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[紫外線劣化]
紫外線劣化が起因するチョーキング現象
まず1つ目は、劣化要因の大部分を占める紫外線劣化についてお伝えさせて頂きます。
紫外線劣化とは、太陽光に含まれる紫外線エネルギー(411kJ/mol)によって、
そのものの持つ分子の結合エネルギーを切断・分解させることで劣化を促進させていきます。
紫外線エネルギーよりも低いものは劣化スピードが速く、
毎日使用する洗濯バサミなどのプラスチック製品がすぐに割れて壊れるのは、
この結合エネルギーが357kJ/molと低いことが原因です。
その他にも、塗料の顔料として含まれる酸化チタンに対し、
太陽の光と雨などの水分が起因となり光触媒効果を生み、
「塗膜を分解する=ラジカルの発生」という劣化を引き起こしていきます。
これらの太陽光やそれに含まれる紫外線に対して対策をしっかりと打っていくことが、
塗膜そしてお家自体を長持ちさせていくための最重要の課題となります。
そのために私たちが行っている対策は次の通りです。
お家へダメージを与える劣化因子は、
塗膜表面(上塗り層)で100%カットできているわけではなく、
中塗り層、下塗り層、外装部にまで届いてしまいます。
そのため下塗り工程の目的を密着性や仕上りの良さだけではなく耐候性能まで付与し、
3層の耐候塗膜によって劣化因子による影響を最小化していくことが大切だと考えます。
さらに相乗効果により、塗膜全体の耐候性レベルまでも引き上げる効果につながっていきます。
また、上塗り塗料と同等の性能を発揮する下塗り塗料のため、
一般的に透明または白色である下塗り塗料の色を上塗り塗料と同色にすることが可能となっています。
これによって確実な仕上り感や目地シーリング上の塗膜割れが発生した場合でも
美観の維持などの効果を得ることができるようになります。
従来の塗料はシリコン樹脂やフッソ樹脂などの
「樹脂」をメインに耐候性を発揮させていましたが、
複合的な劣化要因に樹脂のみでは対処することができませんでした。
その劣化要因の一つに顔料があり、
とくに白色顔料には「酸化チタン」と呼ばれる顔料を使用します。
この酸化チタンは分解作用の非常に強い
「光触媒塗料(ひかりしょくばいとりょう)」の主成分でもあります。
光触媒塗料とは「太陽の光で汚れを浮かせて雨で洗い流す」という特徴で有名な塗料でした。
(※現在、外壁用塗料は製造中止)
この酸化チタン顔料は、太陽光や雨、湿気、そして酸素に反応し、分解作用を引き起こします。
分解作用が汚れのみに働くのであれば大変優れているのですが実際はそうではありません。
“自身の塗膜”までも分解してしまうという最大の欠点があるのです。
その「分解作用=ラジカル」を防ぐために開発したのが
「ラジカル制御」という技術を使用した「ラジカル制御型顔料」です。
つまり「ラジカル制御型顔料」を使用することで、太陽光や雨、湿気、酸素などが起因となる
分解作用を抑制し、塗膜本来の機能をしっかりと引き出すことにつながっていくのです。
紫外線劣化の影響を最も受ける塗膜の上塗り層では、
一般的な塗料と比べて10~30%以上も高密度な樹脂配合により確実に劣化を抑えていきます。
さらに塗料グレードが上がるほど「樹脂の均一化」技術も採用し、紫外線劣化をさらに抑えていきます。
多くの塗料は、塗装をして塗膜化する際に乾燥と同時に樹脂成分が表面層に移動していきます。
この樹脂成分が耐候性能を持ち、紫外線などの劣化要因から塗膜を守る働きをするようになります。
理にかなった方法ではあるのですが、それはしっかりと表面層で耐候性能を発揮している間に限ります。
毎日繰り返される紫外線等の攻撃から少しずつ耐候性能が落ちていき、ひとたび表面層の劣化が進行すると
あっという間に塗膜全体が劣化していくのです。まるで表面を一枚の壁で守っている様子と似ています。
一方で「樹脂の均一化」技術を使用した場合は、塗膜の表面層にのみ樹脂成分を配置させるのではなく、
一見、無意味に見える塗膜の奥側にまで樹脂成分を散らしているのです。
このようにすることで、たとえ表面層が繰り返される攻撃から劣化してしまったとしても、
奥側から次から次へと樹脂成分が出てくるため、劣化しにくい塗膜を形成し続けます。
それはまるで、幾十にも重なる壁で守っている様子に似ています。
このような特殊な技術を結集させることで、
複合的に紫外線劣化という要因からお家を守っていくことが可能となります。
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このセブンクリア™を、今後の美匠未来建設の外壁塗装・屋根塗装では
標準仕様としていき、塗装本来の「目的」「本質」から正しいメンテナンスを手がけていきます。
“塗膜”の長持ちだけでなく、“建物自体”から劣化を最小化して長寿化を実現する品質を、
標準仕様でお客様の大切なお家の外壁・屋根へお届けさせて頂きます。
「お家をしっかりと守りたい」「雨漏りをキッチリ防ぎたい」「お家を末永くきれいに長持ちさせたい」
とお思いのお客様にはぜひ続きもご覧頂ければ幸いでございます。
引き続き、何卒よろしくお願いいたします。
美匠未来建設 株式会社
代表 高橋 明暉
■一級塗装技能士
■建築塗装指導員
■塗料 / 工法 開発者
■日本建築塗装職人の会 技術顧問
■日本建築業者協議会 常務理事